2008年5月9日

08/05/09

A110・1300VC

正直、「憧れ」というのが僕のA110に対する気持ちの一番しっくり来る形容です。そのデザイン・スタイル・歴史など全てを含む総体としてA110の魅力にとりつかれてしまったという感じでしょうか。
僕はA110を、もしも仮に、手にできるなら、1300がいいなあと思っていました。しかも、ある種汎用型であるVCに魅力を感じていました。「最も汎用型(ノーマル)の車体で、シリーズ中で一番普通のエンジン。もちろん4速MT。なのに、すごい。」ということに、なにか僕としては、抗いがたい魅力を感じていました。ちょっと臍曲がりかも知れないけれども。。。多分、僕の非常に個人的な趣向なのだと思いますが、そこにA110およびアルピーヌ・ルノーの魅力のひとつがあるように僕が思っているからだと思います。
この個体との出会いは、まさに「縁」によるものだと感じています。このタイミングでなければ、経済的にも手に入れることはできなかったし(といっても借金には変わりありませんが、、)、まずもって札幌のSさんが、僕にこれを売ってもいいと思ってくれたからというのが大きいです。そこに加えて、パリの出張先でA110と遭遇というのがあったり。いろいろな偶然と幸運によるものだと思います。

ある4月の日曜日、家族を連れて札幌にA110に会いに行きました。夫婦と一人娘3名。夫婦はほぼ徹夜。朝一のJAL羽田>千歳で行ってきました。こればっかりは奥さんに代役を頼むわけにはいきません。(笑)

うちの奥さんはホントに小さいのねえと驚いていました。ウチの娘さんの方もまんざらではないようです。うちの奥さんは徹夜の疲れが出たか、、いきなりバックシート(らしき空間)で寝てしまいました。隣で娘は、おかあさんのめがねをかけて遊んでいました。それをパチリ。

このとき、Sさんに同乗して頂きA110に生まれて初めて乗りました。ひとしきり説明してもらいながら、お店から少し離れた峠のようなところまで行きました。興奮してのどがからからでした。
ウーンと低音で唸るエンジン音を背中に感じながら進む札幌の風景。峠に向かうワイディングロード。いままで経験したことがないようなドライブでした。夕暮れの一歩手前の木立が、インティメイトな室内の、それでも広い視界を過ぎていきます。すぎていく風景は、なにかもう、顔にゴーグルのような身体的なものをつけた身体自体が低く滑空しているように思えるほど、非常に近いものに感じられました。路面の表情をそのままとらえるような、固くそれでいてしなやかなショックの心地良さ。ちょうど車が身体と一体になったような感じ。この時の札幌の風景、一生忘れられないと僕は思います。

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