2009年7月14日

09/07/14

パリ・2日目
協力事務所の入っているビルの共用階段脇にある外部吹き抜け。登ってくるエレベーターを待ちながらのぞき見上げる。英語だと光井戸LightWellという単語があるが、まさにそんな感じ。空を見上げるとJ・タレルみたいに切り取られた青空が見える。
飲み物を買いに外に出たが、近所の角にある花屋さんがなかなか良くて感心した。狭い室内が壁も床も天井も真っ黒に塗られていて、小さな花や小さな葉っぱの植物がパラパラとばらまかれたみたいに飾ってある。外部から入る光が小さい白い花や小さい葉っぱを照らして、黒い室内に浮かんでいるようだ。とにかく植物の選定が素晴らしい。外から見ると、それら小さな植物たちが、暗い室内のために光るようにガラスに写る街と混ざり合っている様に見えた。
そのままちょっと歩いていくと・・お。古いパリナンバーの縦サンク。
室内を覗くとごく初期型のインテリアだった。小さい四角のコンソールに縦ストライプのモールディング、ヘッドレストの無い黒革のシート・・・良いなあ。後ろを見るとエンブレムはGTLとある。
サンクの近くにあった市場に潜入してみる。ちょっと普通の市場と違うみたい・・この時間はまだいろいろ準備しているみたいだった。こういう明るい構造の公共的な空間で、かつ、親密さが感じられる空間というのはなかなか好きだ。ぐるっと一回りして、一端仕事場に戻る。
お昼ご飯は同僚にさっきの市場に連れていかれた。これがエントランスである。この奥にあんな広い市場があるなんて外からよく解らないよなぁ。
朝よりちょっと活気のある市場内。じつは市場というより屋台村みたいである。
いろいろな料理を出す屋台が所狭しと並んでいて、その周り空間にたくさんのテーブルがある。屋台はいろいろあって、モロッコ料理とかトルコ料理とか野菜専門店とか。なんと日本料理もあった。こんなところがあるのだなあ。
モロッコ料理を頂くことにする。クスクスとかタジンとか。屋台で注文してテーブルまで持っていく。
同僚とシェアして3皿。鶏肉のタジン。牛肉と茄子のタジン。牛挽肉のタジン。どれもクスクス入り。タジン、とても美味しと思うのだけれど、なんというか明確な中心の無い味。この味っていったいどうやって作るのだろうといつも思う。
一緒に頂いたミント・ティー。ぬるくて甘い。けど、今日みたいな暑い日には、ちょっとこのくらい甘い物の方が元気が出て良いかもしれない。
裏のエントランスを出ると裏通りに銀のキャトルがいた。
朝見たサンクが未だ停まっていたので、もう一度見に行った。CIPAのメッキドアミラーもなかなか良いね。縦サンクを見るといつも、デザインには「雰囲気」という、なんとも数量化できず捕らえどころのない、そして重要な要素があるよなぁと思う。それは形とかモノとモノの納め方とか様々事象の総体が醸し出すものであると同時に、なにかデザイナーの血肉的なもののように思えてならない・・・。ところでウチの緑君・縦サンクは進んでいるのかな?今晩、成田に向けて発つ。

4 件のコメント:

Cédric さんのコメント...

You were in Paris??
You should have told me!!!!!

midori さんのコメント...

Cedric,
Yes I was. Sorry I should have told you, but just two days stay for business. I will tell you next time!

ミノルノー さんのコメント...

いいなぁ、縦さん。しかも3ドアの初期内装ですか。
ボクのイメージのパリはコレ。街に溶け込んでるよなぁ。
CIPAのメッキミラー、うちの縦自動さん用に用意してたのですが、新品でピカピカしすぎだったので、黒化、もしくはエイジングを考えていて・・
この記事で思い出しました!すっかり忘れていましたよ。ありがとうございます。

midori さんのコメント...

ミノルノーさん
ども。やっぱ縦は似合いますよね~。キャトルも溶け込んでいますが、個人的には縦サンクの方が殊更に似合っているような。ただの贔屓でしょうか?
CIPA余ってたらくださいな。(笑)